戸田第2代会長と「3・16」
昭和33年(1958年)3月16日。
この日、戸田城聖(とだじょうせい)第2代会長は、青年たちに“広宣流布の模擬試験”ともいうべき式典を挙行した。
舞台は、富士を仰ぐ静岡の天地。戸田会長が逝去する17日前のことであった。
「75万世帯の折伏」という願業を達成していた戸田会長には、もう一つの誓願があった。青年に広宣流布の一切の後事を託しゆくことである。
「3・16」は、戸田会長の総仕上げ、総決算の儀式であったのである。
開催は急きょ決まった。男女青年部には、式典当日の5日前から迅速に結集の連絡が徹底されていった。
ある友は、貸し切りバスで。ある友は、夜行列車に飛び乗った。
師匠が待っておられる!
――この一点で、6000人の若人たちが、万難を排して集い合った。
式典当日、戸田会長は、モーニング姿であったが、足元はスリッパ。すでに革靴が履けないほど、体は衰弱していた。
それでも青年のもとへ!
最後まで青年と共に!
万代のために指揮を執る大将軍の英姿であった。
式典で、戸田会長は烈々と師子吼した。
「創価学会は、宗教界の王者である!」
その叫びは、この偉大な仏法を行じゆく誇りを胸に、全人類に希望を送る「人間の王者」たれとの大宣言であった。
生涯、広宣流布のために!
――青年たちの顔は、決意に燃えていた。
